人が頭に思い描くイメージというのは言葉で説明がしにくいものであり、コミュニケーションにおいてはしばしば齟齬を起こす原因となります。それを理解し、別の人にわかりやすく伝えることができるという能力があるならば、それはコンサルタントとしての適性をもっていると言えます。
クライアントのもっている要望はしばしば抽象的で、システムに落とし込む以前の問題としてその目標とするところが定まらないことすらあります。クライアントが漠然と達成したいと考えて思い描いているイメージを具体化していくということもコンサルタントには必要とされるスキルです。それができて始めてその要望をもって開発の方向へ向かっていくことが可能になり、企業として仕事が成立するようになるのです。また、それをプロジェクトリーダー等に伝達する際にもまたプロジェクトリーダーが自分の頭の中に目標としているであろう姿をイメージします。それがクライアントのもつものと合致するようにプロジェクトの進行とともにうまく修正して舵取りをしていくことが必要になります。
このようにクライアントは人が頭の中で抽象的に考えていることを具現化する能力が不可欠になります。その能力が合った上で、システムエンジニアとしての基本的な素養や経験を積んでいることによりIT業界でクライアントと技術者をつなげる人材として活躍することが可能になるのです。
コンサルタントをキャリアとして目指す場合にはそういった適性があるかをよく見極めておくことが重要です。